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気まずいどころの話ではなかった。
ウリセン掲示板である男性に声をかけられて出向いてみたところ、そこにいたのは僕の兄だった。
「おまえ、こんなことやっていて将来は大丈夫なのか」「そういうアニキこそ、ゲイだったのかよ」と不毛な会話が続いた。
6つ違いの兄は僕とは違ってよくできた人間だと弟ながらに思っている。スポーツ万能で成績もトップクラス、高校では生徒会長まで務めた人間だ。
ただ、両親の良い遺伝子はすべて兄に注ぎ込まれたようで、弟である僕は何をやらせてもダメな劣等生だった。まさに賢兄愚弟を絵に描いたような兄弟だった。兄と比較してあまりにも賢くない僕は、果たしてこの両親の本当の息子なのか?母親がどこぞのろくでなしと不倫でもしてできた子供なのではないか?と考えてしまうほどだった。幸いなのは、あまりにも人間のレベルが違い過ぎてコンプレックスにはならなかったことくらいだ。
兄は学校卒業後は一流商社に勤務して、その3年後には結婚もしていた。弟の僕はろくに就職も出来ずウリセン掲示板で日銭を稼ぐろくでなしだ。
そんな兄弟が数年ぶりに再会した。なぜかウリセン掲示板で。
兄がゲイだとは僕も知らなかった。確かに学生時代も浮いた話は全くなくて、結婚も唐突だった印象がある。
「さすがに俺がゲイだなんて知れたら両親にもおまえにも影響あるだろ?そんな時にビアンの女性と知り合って世間体のために偽装結婚と言う形を取ったんだよ」
兄はそう語ってくれた。肉親のためにクローゼットにしている兄はやっぱりできた人間なんだと思う。まあ、だからと言ってウリセン掲示板で遊んでいるのはどうかと思うが、それを言ったら「そんなゲイを飯の種にしているお前はどうなんだ?」と言い返されるのがオチなので黙っていた。
僕自身はノンケではあるのだが、ゲイを相手にすることは抵抗はない。だから、兄みたいに僕の中にもゲイの血は息づいているのだろう。
だが、兄が僕を気遣ってゲイであること伏せていたように、弟がウリセンと知れたらそのダメージは僕の比ではないはずだ。そんな兄のためにも、もう、ウリセンは卒業して真っ当な仕事を探そう・・・と、これで最後のつもりでウリセン掲示板で声をかけてきた自称ミドルなダンディーと会った。
そこにいたのは、僕の父だった。
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